＃000 猫男見参

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つまり最新作は最終ページになります。
ご注意ください。



毎年夏になると猫男見参として
ホラーテイストなイラストを
公開していました。
このdarksideカテゴリでは
それらのイラストを集めました。
…ノーマルカテゴリも
案外ダークな雰囲気の絵が多いんですけど…。
夏季限定なので更新は年に1、2回。
よって元々ストックが少なく、
すなわち差し替えることもなく
結果的にサイトデータとしては
欠けることなく揃っているという皮肉。

絵柄の変遷が丸わかり。
変遷していないという意味で。

#001 涙

そして　

告げぬ言葉
抱けぬ肩
触れぬ指先　

閉じ込められた想い
いつかきっと

あふれだす予感

#002 黒いトリを抱いて

黒いトリを心に抱く。

飛ぶと荒み
降りると痛む

そのトリが

触れる先から腐り
朽ちていく心を抱いて

きっと私は

幸せなくらいに絶望している。

#003 語り部

物語は
明らかになればなるほど
深くなった

描写の奥
表現の闇
生い茂る言の葉の陰

物語の核(コア)は
ひっそりと硬く閉じ
黙した

物語は
器でしかないと

語れば語るほどわかってくる

描写の奥
表現の闇

生い茂る言の葉の陰に
ひっそりと黙す
恋

#004 規格外

ノーマルでいたかった
なのにいつもそのレベルから外れた

端子がないさびしさ
規格に合わないせつなさ

どこにも接続できないケーブルが
こころから滴り落ちる

#005 イワン

心の底に
開けてはならない昏き扉が在るを知り
しかし同時にその扉こそが拠り所でもあり
日々の折り
訪れ触れて
扉の昏き鼓動を確かめねば
やれぬ命
こんなあやふやな生

昏き扉を抱いて歩く
大男の愚かさにも似て。

#006 その望み

えぐるように舐めあげる

ため息のようにひそやかに
きみの咽喉が鳴る

コンナニ　コンナニ　アイシテル
ダカラ
ネェ

…食ベチャッテイイ？

#007 闇夜に駆ける

出遭えた

それだけでは足りなかった
業の深さが
しんしんと痛い

全てをなぎ倒して
想いは駆ける

漆黒の夜
おまえの許へ

#008 真白い月

冷気の中に

在る

視えなくても
聴こえなくても
触れなくても

凍えても
痛んでも

病むとしても
それが私のよすが

真白い月に
照らされなくても

#009 呪詛

これは愛ではない
呪いだ
おまえがかけた呪いだ

おまえが私を求めるぶんだけ
私の存在は病む
おまえの言葉は呪詛となり
おまえの指先は毒気を孕む

この身は捩れ歪み
腐り膿み
異形のものに成り果てる

その悲痛にうめくのは
しかし他ならぬおまえ

愛ではない
きっと二人は

愛に呪われている

#010 おまえに至る

闇にまぎれ
影に抱（いだ）かれ

恋はひそやかに這う

奥へ　淵へ
深みへ

そして絶望まで

#011 恋人

喧騒
静寂（しじま）

おぼろな暁
昏い夜

いかなる時も
どこにあろうと
この手の中に

そう

私には
恋人がいる

#012 かわいい悪魔

お願いだから

私以外の人を見ないでおくれ
私以外の人と口をきかないでおくれ

私以外の言葉には
耳をふさいで応えないでおくれ

私以外の指が触れたなら
きっとその肌は爛れてしまうだろう

本当だよ
だって

おまえは私のものだもの

#013 Zombie

何故あの時
死んでしまわなかったのだろう

こころを焼き尽くす凄惨な哀しみを
しかし誰にも知られぬように

飲み食い笑い
変わらぬ生活を続け
無残なこの身を浮世に晒す

何故

何故あの時
あの人とともに
死んでしまわなかったのか
人として死ねたのは
あの時しかなかったのに

今となってはもう遅い
飲み食い笑い
無様に生き続け

辿りついたのは

生ける屍

#014 何もない

きっと私は何もない

全てを

いっそ全てを捧げつくし

祈りつくしたなれの果て

それでもまだ愛しいと想うこころ以外に

#015 ヨカナーン

欲望の具現
恋の象徴

たった一度のくちづけのため
おまえも私も等しく喪おう
等しく哀しもう

その一瞬の悦楽のため

おまえと私は全てを投げ出そう

世界を滅ぼそう